アイデンティティへの闘争の過程で、過去アメリカの歴史の中で彼らがしてきたように、アメリカの黒人独自の素晴らしい文化を作り出し、自由の、人権の、民主主義の意味を世界に問い続ける役割を果していくのでしょう。MTVに「シングルド・アウト」なるデートゲーム番組があるのですが、これはひとりの男性あるいは女性が、相手の顔を見ずに何十人もの中から様々な条件の一致や問題への反応を聞いて、最も自分に合ったひとりを選び出すというもの。この番組のユニークな点は、たぶんアメリカテレビ史上始まって以来、候補の中に違う人種が混じっており、違った人種のカップルができうるということ。この番組以前、アメリカのデートゲーム番組では必ず、片方が白人なら、もう片方も白人、片方が黒人なら、もう片方も黒人というパターンでした。つまりこの国では、公共の場で人種を超えた恋は、決して推奨されてはいないのです。たぶんこの番組にそれができるのは、シリアスではなく大学生ぐらいの若者たちが大勢でワイワイ遊んでいる雰囲気になっているからだと思う。これはデートゲームに限らず、テレビドラマや映画でも、異人種のカップルが出てくることは稀で、そうであった場合は、ほとんど人種問題をテーマにしたストーリー。何でもない普通の状況で、たまたま愛しあった二人が異人種で、それが物語に特には何の意味もない、というような設定のものを見ることはまずありません。